5ドルを元手に2時間で600ドル!ってスゴイアイデア…ティナ・シーリグ『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』読了。

2011年 2月 28日

ティナ・シーリグ『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』を読了しました。この本はベストセラーらしいのですが、中でも「5ドルを元手に2時間でどれだけ増やす事が出来るか…」という講義の話はスゴク面白かったです。

講義では学生達をチームに分けアイデアと行動を促すんですが、一番増やせたチームは5ドルを2時間で600ドルに!それも、元手の5ドルには一切手をつけていない…ってのが、とても興味深いとともに、自分(yokoyama)が如何に枠にとらわれた思考をしているか?という事実をつきつけられる、とても読み応えのある本でした。詳細を以下に。

「第1章 スタンフォードの学生売ります」冒頭より
 いま、手元に5ドルあります。2時間でできるだけ増やせと言われたら、みなさんはどうしますか? これは、わたしがスタンフォード大学で実際に学生に出した課題です。クラスを14チームに分け、各チームには、元手として5ドルの入った封筒を渡します。課題にあてられる時間は水曜日の午後から日曜日の夕方まで。このあいだ、計画を練る時間はいくら使ってもかまいませんが、いったん封筒を開けたら、2時間以内にできるだけお金を増やさなくてはいけません。各チームには、実際にどんなことをしたのかを1枚のスライドにまとめ、日曜日の夕方提出してもらいます。そして、月曜日の午後、チーム毎に3分間で発表してもらいます。学生たちに起業家精神を発揮してもらおう――常識を疑い、チャンスを見つけ、限られた資源を活用し、創意工夫をしてもらおうというわけです。

 おなじ課題を出されたら、みなさんならどうしますか? いろんなグループにこの質問をすると、たいてい「ラスベガスに行く」とか、「宝くじを買う」と言う人が出てきます。ドッと笑いが起きます。こういった人たちは、大きなリスクを取って大金を稼ぐという、ごくごく低いチャンスに賭けているわけです。次によくあるのは、5ドルで道具や材料を揃えて、「洗車サービスをする」、あるいは「レモネード・スタンドを開く」といった答えです。2時間のあいだに、使ったお金よりも多少儲けようという人にとっては、それもいいでしょう。ですが、わたしが教えた学生のほとんどは、こうしたありきたりな答えのはるかに上を行く方法を見つけました。できるだけ多くの価値を生み出すために、課題に真剣に向き合い、常識を疑った結果 ――豊かな可能性に気づいたのです。

 どんなやり方をしたのでしょう? じつは、大金を稼いだチームは、元手の5ドルにはまったく手をつけていません。お金に注目すると、問題を狭く捉えすぎてしまうことに気づいたのです。5ドルは、あってないようなもの。そこで、問題をもっと大きな観点で捉え直すことにしたのです。元手がないのにお金を稼ぐには、どうすればいいのか? 学生たちは観察力を磨き、持てる力を駆使し、創造力を発揮し、身近な問題を発掘しました。自分や他人が経験したことのある問題、気づいてはいたけれど、そのときは解決しようとは思わなかった問題です。いつも身近にあるのに、とくに意識していなかったものでもあります。こうした問題を掘り起こして、解決しようとつとめた結果、多いチームでは、600ドル以上を稼ぎ出しました。5ドルの投資リターンは、クラスの平均で4000パーセントにもなりました。多くのチームが元手に手をつけていないことを考慮すると、リターンは無限大とも言えます。

実は、以下のアマゾンページにいくと、講義の様子がムービーで見られ、本を読まなくても大筋はわかるんですが、目からうろこの講義内容は、この「5ドルの挑戦」だけではないので、ぜひ読む事をおすすめします。

それにしても、大学の時にこの勉強しているって…スタートで随分と差がついちゃってるなあ…。

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6 Responses to “5ドルを元手に2時間で600ドル!ってスゴイアイデア…ティナ・シーリグ『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』読了。”

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