タブーな問題にもABテストを導入し、効果測定しよう…というD・カーラン&J・アペル著「善意で貧困はなくせるのか?〜貧乏人の行動経済学」を読了。

2013年 4月 27日

D・カーラン&J・アペル著「善意で貧困はなくせるのか?〜貧乏人の行動経済学」を読了しました。(ちょっとタイトルがアレですが…)

本の中で衝撃的だったのは、

私たち(寄付側)は「魚を釣って与えるよりも、魚の釣り方を教える…」という話に興奮してきたけれども、果たしてそれはホントに効果があがってるのだろうか?だって貧困は無くなってないじゃないか…

寄付に対するABテストはなんとなくタブーになってるけど、ABテストを繰り返し、効果測定し、改善していくことが、唯一援助プログラムを良くする道だよね…

みたいな事が書かれていた所。目ウロコ本でしたヨ。



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また本を読んでいて「おっー!!!スゲー」と声を出しちゃったのは、子どもたちの学校への出席率を高めるプログラムとその年間コストで

・プログレサと呼ばれる、子どもたちが学校に来るとお金をあげるプログラム・・・1000ドル/人

・子どもたちに学校の制服を提供してあげるプログラム・・・100ドル/人

・お腹の中の寄生虫を駆除する錠剤をあげるプログラム・・・3.5ドル/人

で、最後の寄生虫駆除プログラムがもっとも低コストでもっとも劇的な出席率向上があったと!

コレは専門家達も予想していたわけではなく、たまたま見過ごせない問題が目の前にあり、その解決を図ったら、結果が求めていたものにつながったらしい…。

本の中で繰り返し述べられているのは「良い物をもっと良くしようヨ」ということでした。とてもイイ本でした。おすすめです。

+ ユニクロとの合弁事業が発表された、ノーベル平和賞受賞のバングラディシュ・グラミン銀行の歩みが書かれた書籍「貧困のない世界を創る」を読了。

+ 5ドルを元手に2時間で600ドル!ってスゴイアイデア…ティナ・シーリグ『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』読了。

+ 2004年発行著書 広瀬弘忠「人はなぜ逃げおくれるのか〜災害の心理学」読了。緊急時ヒトはどういう心理状態に陥ってしまうのか…がとても興味深い名著。

+ デザイン・コンサルティング会社の取組みを紹介した書籍『発想する会社!~世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法』読了。米ABCTVで特集された”Nigitline Deep Dive”ムービも。

+ すごい製品やサービスを生み出す最も単純な方法は、あなたが使いたいものを作ることだ…。37シグナルズ 成功の法則「小さなチーム、大きな仕事」読了

+ 雑誌のポータルを目指した…フリーマガジン「R25」創刊話が書かれたリクルート藤井大輔氏著書「R25のつくりかた」読了。クロスメディア事例が面白い。

+ 35年前に「デザイナーは結局ゴミを作り続けている…」という視点で世界を見ていたなんて驚き!ヴィクター・パパネック「生きのびるためのデザイン」



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