たった二言のやりとりで「コレは騙されちゃう…」という寄付勧誘コミットメントテクニックが興味深い。「人はなぜ動かされるのか?〜影響力の武器」より。

2011年 9月 17日

社会行動研究会訳「人はなぜ動かされるのか?〜影響力の武器」を読んでいたら、コレは騙されちゃうな…という寄付勧誘のコミットメントテクニックが書かれていたので紹介します。



「こんにちわyokoyamaさん、ご機嫌はいかがですか?」

「ありがとう、とてもいいです。(元気です)」

「そうですか、それは良かった。不幸にも〇〇で被害を受けた人たちを助けるために募金に協力していただけないか?お電話をかけている所だったんですよ…」

たったコレだけなのに、ひっかかっちゃいますよねコレ。いま、僕らはもっともひっかかりやすい状況化におかれていますから、コレドキッ!としました。

コレにひっかかる要因というのはいくつもあって

・自分はうまくいっている・恵まれている、ということを、まず、自分で認めてしまった

・人は自分の発言や行動に一貫性があると思いたい・思われたい

・自分の現状と被害にあわれている人とのコントラスト

・ケチだと思われたくない… などなど。

もちろん、コレが善意に基づく団体の正当なお願いであればまだいいのかも?しれないですが、こういうテクニックを利用した不純なものだとしたら?僕らR35世代の人間はNo!と言えるかもしれないけど、僕らの親だったら?

そう思うとなんだかとても恐ろしいテクニックだなあ…と思いました。

実際の統計でも、まずご機嫌を伺いした上での寄付の勧誘と、いきなりの寄付の勧誘では、前者の寄付してくれる割合数は倍になったそうです。

この本は、こういうコミットメントテクニックがあって、知っておかないと、あたかも自分で選択した行動だと思っているけれど、実はそうではない(だまされてる)場合がかなりあるんですよ…という趣旨の本で読んでいてとても面白いです。もし興味あったらぜひ。

+ 2004年発行著書 広瀬弘忠「人はなぜ逃げおくれるのか〜災害の心理学」読了。緊急時ヒトはどういう心理状態に陥ってしまうのか…がとても興味深い名著。

+ 5ドルを元手に2時間で600ドル!ってスゴイアイデア…ティナ・シーリグ『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』読了。

+ 著書「フィンランド豊かさのメソッド」〜透明性のあるフィンランド社会への国民の信頼と忍耐、そして生涯学習社会のインフラ整備。



2 Responses to “たった二言のやりとりで「コレは騙されちゃう…」という寄付勧誘コミットメントテクニックが興味深い。「人はなぜ動かされるのか?〜影響力の武器」より。”

  1. 思わずホント!?ときいてみたくなるような、おもちゃメーカーがクリスマス後の売上ダウンを改善するために仕掛けたプロモーション。 | wagonR35〜R35デザイナーに見えるもの Says: 2011年 11月 21日 at 6:45 PM

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  2. 約70年前アメリカ人で牛乳を最もよく飲んだのはどんな人たちか?が興味深い、深層心理で消費者インサイトを見抜く「価値創造型プロモーション」読了。 | wagonR35〜R35デザイナーに見える Says: 2012年 2月 8日 at 4:40 PM

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