自分で株式会社を作ってみるまでわからなかった事・失敗談・これから起業・創業・スタートアップを目指す方へ。フリーランスデザイナー・個人事業主からの法人成り。

2012年 1月 23日

おかげ様でwagonR35を運営する株式会社クラウドワゴンは法人化して一周年を迎えることが出来ました。

会社を作る準備〜今日まで、日々知らない事との遭遇の連続で「まだ一年しか経ってないのか…三才は歳くったぞ…」ってのが正直なところなんですが…。

会社を作るときに、すでに起業されていた人の本やブログなどをたくさん読ませてもらって、とても勉強になったし、背中を押してもらったので、今回、「自分で株式会社を作ってみるまでわからなかった事・失敗談・これから起業する方へ」と題して情報をシェアしたいと思います。起業を考えているあなたへ。



<起業前〜会社を作る理由をできるだけ探す>

・自分の強みを思い知らされた

個人事業主(フリーランス)で活動していくうちに、仕事が集中し、受けきれずにお断りする事が増えていく状態の中で、やっぱりなんだか怖いので、会社を立ち上げることには臆病になっていました。そんな時にたまたまよく仕事をくださるプロデューサーさんと大阪出張に行く機会があり、飲んだついでに「なんでいつも仕事くれるのですか?」と聞くと「キミは何度修正しても嫌な顔しないからさ…」と。

デザイナー的には「センスがあるから…」と言われたい所ですが「イヤなカオしないから…」と聞いたときに、コレは行けるかもしれない!と思いました。接客マナー?だったら、他のデザイナーにあんまり負ける気がしなかったのでw…。

・ジョブズの「点と点がつながる話?」と同じかもしれない…

スティーブ・ジョブズは大学時代にカリグラフィの勉強をしたから、コンピュータの文字をグラフィカルに美しく表示したいと思ってMacを作った…みたいな話が僕は好きなんですが…こんなかっこいいものではないけど、

デザイン事務所に勤める前に、大手外食チェーン店で運良く幹部候補生として、スチュワーデスさんの接客研修をしている学校で1年程接客の心得を勉強させてもらった経験がいきてるな…と。

・万が一の再就職時に、前回の退職時と何が違うのか?がいつも気になっていた

フリーランスデザイナーというのはわりと世の中にたくさんいて、その半分以上はやっぱり仕事が細くなってきて、社員としてデザイン事務所などに戻っていくと思います。僕らも食べれなくなったらそうなるんだと思いますが…、

「前の会社を辞めた時と今では、あなたのスキルや経験は何が違うのですか?」との問いに、このままなんとなくフリーランスを続けていたらうまく答えられないなあ…と、常々思っていました。ですが、会社をやって失敗しました…という経験は、多くの同業フリーランスデザイナーは持っていない経験なので、これは武器になるのでは?…。

<起業準備>

・株式会社は資本金1円から作れるというけど本当?

書類上、資本金を1円にすれば会社を登記することはできるようです。が、現実問題、新規に作った会社の売り上げが口座に振り込まれるまでには数ヶ月あり、その間の自分の給料は資本金から払っていくことになるので、事実上、1円だといきなりマイナス計上になります。現実的ではないと思われます。

・株式会社の資本金はいくらあればいいの?

調べていくと、最低資本金の目安となるのは、給料(役員報酬)の3ヶ月分以上?が相場のようでした。(三ヶ月目に売り上げがある前提?)。自分の給料を月30万と設定したら、資本金100万かな?ただ、資本金の額も一応、対外的に公表されるものなので、そのへんをふまえると、今はもう作れない有限会社の資本金額300万のスタートアップ企業がとても多いようです。

・登記など会社を作る費用っていくらかかるの?経費になる?

登記に必要な書類を作ってくれる行政書士費用が10万弱。行政書士はネットで探すとたくさん出てきますが、総じて、安いところは書類作成まで時間がかかり、高くなるにつれて作成速度が上がる印象でした。

さらに登記申請に15万。その他会社の印鑑作ったり、なんだかんだで30万〜40万かかります。かかる経費は全額会社の経費として計上できます。

・今まで自分がやることで安くすんできたことは、このあたりから意味をなさなくなってきた

会社を設立するためのお役所の書類や手続きって本当に不親切に、デザインが入っていないものばかりで、わかりにくくてしょうがなかったです。いくら調べたりお勉強しても理解できない内容がどんどん増え、「会社を設立することが目的ではないのに、こんなことにどれだけ時間をとられるのか…」というストレスでまいってしまいそうでした。なのでこんなことはお金を払ってさっさと片付けるのがいいと思います。どれだけ時間を無駄にしたことか…。

<設立後>

・小規模企業共済に加入

創業者の退職金のようなもの?に加入しました。個人事業主からの法人なり、なので一年目から加入。通常は会社2期目より入れるようです。

・倒産防止共済に加入

取引先の万が一の倒産?などの時に、資金繰りを助けてくれるらしい。まあ、弊社よりどこもでかい会社なのであんまり必要なさそうなんですが…。

・創業融資制度は起業5年以内(ただし法人成りの場合は、個人事業主の時から数える)

スタッフさんへのギャラの支払いは、取引先の入金よりも先に立て替える事になるので、資金繰りに余裕があった方がいいということで、日本政策金融公庫(旧国民政策金融公庫)や行政(東京都・港区)の創業融資制度の説明を聞きに何度も足を運びましたが、創業融資の場合、原則起業5年以内の企業にかぎるそうなんですが、例外があって、個人事業主からの法人成りに限り、個人時代も含まれるそうで…結局対象外になってしまいました。最初にいってくれよ…。

逆に言うと、創業融資は法人に限られないので、個人事業主の段階で融資を受けることが可能だそうです。

・税理士いきなり雇えないよ…絶対に契約する必要があるの?

決算書に記入できるのは、創業者か税理士と決まっているそうです。なので、絶対に税理士と契約する必要はないようですが、現実問題、決算の仕組みを理解したり、損のない手続きを踏みたい場合、税理士なしにはなりたたない印象大でした。ちなみにyokoyamaは日商簿記2級を持っているので、ちょっとした経理ぐらいはかじった経験があるのですが、それでも法人関係の会計、所得税や源泉預り金などなど…まるでわかりません。

最低でも決算書だけ作成してくれる税理士さんは必要かもしれません。

ちなみに税理士さんも行政書士同様、決算だけやってくれる税理士さん、税務に関する質問は受け付けないけど、経理業務だけはやってくれる税理士さん、毎月経営上のアドバイスをしてくれる税理士さん、まで金額により様々な感じです。

・毎月の源泉預り金の納付

地味に面倒なのですが、同業デザイナーさんなどに仕事をお願いした場合、10万の仕事だったら9万円はデザイナーさんへ、残り1万円は源泉預り金として翌月に税務署へ納付する手続きがあります。これはフリー時代にはないものだったのでとてもメンドー。ギャラまるまる振り込むんだ後、すいません差額を…とお願いすることもしばしばでした。

・給料(役員報酬)は一年間かえられない!最大のミス!

日々の仕事のほかに、こんなにも面倒な作業が毎月発生するので「もっと給料くれよ…」と思っちゃいますが、役員報酬は一年間かえられないそうです。これはフリーランスだと働いた分だけ自分の懐に入ってくるので、一番の!最大の!違いかもしれません…涙目。

と、まあ、起業する前には想像もできない膨大な事務に追われながら、毎月毎月ぜえぜえやってきました。

まあ、こんなんでも会社にした方がよかったわけ?と言われたら「うん、たぶん…」って感じですw。まあ記念受験ならぬ、記念起業みたいなもんですから…。細かいこともっとたくさんあったのですが、なんか脳が思い出したがらないのですw…つらすぎて…。

<最後に>

この一年で一番変わったのは、時間をお金で買うようになったことでしょうか。自分でやらなくていい仕事はどんどんアウトソーシングしてお金を払い、そのお金で買った時間で、もっと大切な仕事をする…という。フリーの時は夜中に仕事が終わると、始発までラーメン屋でビール飲んでタクシー代浮かせてたんですが、今ではビジネスホテルに行って、仕事したり睡眠にあてるようになりました。(ふつうかw)

追記:創立記念日から初の決算の申告までにあらたなもろもろが出てきたので追記します。

<決算へ>

・支払調書の送付

スタッフさんそれぞれが行う確定申告のための、所得税源泉預り金などが記載された支払調書を送付するという事務が発生します。これは一度でも仕事を頼んで報酬をお支払いした全ての人に対して送る必要があるそうで、結構な事務作業になりました。

・法人化の知らせがクライアント経理担当に届かないとややこしくなる

個人事業主(フリーランス)から法人成りする人特有のものかもしれませんが、フリー時代から続いている会社から、法人後も源泉が10%ひかれた状態のまま入金されることが、まま、あります。これは経理担当まで法人化の知らせが届いていない事が主な原因かと思いますが、そうすると、法人化後の引かれた10%は未入金という処理になります。(法人同士は源泉を預かる必要がないため)

ややこしいのは、この10%をクライアント企業は税務署に納めてしまうことです。そうすると、まずは、納め過ぎたお金をクライアント企業は税務署より返してもらい、そのお金を今度は弊社に入金していただくという、二重三重の申し訳ない作業が発生するんだそうです。「お知らせ届かずゴメンナサイ!」何度も言わなきゃいけなくなるという…。

そうして今日まで(これから)+ 株式会社クラウドワゴンは何をしてるのか?というとこんな事しています。

+ 動物病院専門ホームページ開設サービス「ペココロ」

+ コンテクラブ

+ wagonR35〜R35デザイナーに見えるもの

+ 明野ナビ!サンフラワーフェスの町へ通う生活。

+ 七沢温泉ナビ

+ 二俣川と言えば「二俣ナビ!」

弊社はBtoBはもちろん、BtoCを大切にいたしておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

wagonR35同様、今期も、株式会社クラウドワゴンをヨロシクお願いします!

+ 【広告主さま募集】wagonR35にバナー広告・テキスト広告を掲載しませんか?

+ 【デザイナー・Macオペレーター求人募集】手離れのいい(作業日数は1日単位)仕事で、ひと月の案件受注回数により時給がアップするお仕事。フリーランスなどフットワークの軽い方、空いている時間を有効利用しませんか?

+ 百式(100SHIKI)・IDEA*IDEAさんの百式ジョブボードに弊社求人広告を載せてみた!

+ 「えっ!有限会社ってもう作れないの!」東京・田町の創業サポートセンターで中小企業診断士に教えてもらった株式会社設立のいろいろ。



3 Responses to “自分で株式会社を作ってみるまでわからなかった事・失敗談・これから起業・創業・スタートアップを目指す方へ。フリーランスデザイナー・個人事業主からの法人成り。”

  1. e-taxってブラウザで動く、確定申告が出来る会計ソフトになったんですね!(WinもMacも)電子申告するだけのシステムだと思ってました。 | wagonR35〜R35デザイナーに見えるもの Says: 2012年 2月 29日 at 6:18 PM

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