賛否両論の裁判員制度スタート!と聞くと思い出す、妻を殺害した被告(夫)の判決後の言葉

2008年 10月 10日

裁判員制度で陪審員に呼ばれる前に知っておきたい事件

最近やたらと、裁判員制度ということばを耳にしますが、

その度に脳裏によぎる、ひとつの事件があります。

その事件とは…。

 

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北海道のグループホームで妻(当時81)を殺したとして、

嘱託殺人に問われた被告(89)の判決公判。

認知症だった妻が「死なせてほしい」と懇願。

看病に疲れた被告が応じ、自分も自殺を図ったが

一命を取り留めたと判決は認定。

裁判長は「深い愛情で献身的に世話を焼き続けたが、

心身ともに疲弊していた」とし、当時は心神衰弱だったと認定。

懲役3年執行猶予3年を言い渡した。

妻は10年まえから認知症、その後パーキンソン病も患った。

自殺を図ったこともあり「死なせて」と言い続けるようになった。

被告はついに妻の首をひもで絞めた。

公判中、被告は耳がよく聞こえず、

質問を書いて答えを促す場面もあった。

最後に裁判長に心境を聞かれ、被告は言った。


「一緒に死にたかった」

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裁判ってなんだろう。

有罪とする場合、罪の重さを認め、悔い改めて欲しい

もしくは、罰を受けて欲しい、と思うんだろうけど、

 

「一緒に死にたかった」というのは、

もう、そこに、被告人はいないじゃない。

ボクらの社会は、いったい、誰をさばいたのだろう?

 

そもそも、被告が一番の悲しみの当事者で、

裁判をするすべての人は、被告よりも全然遠いところにいるのに、

裁判をするって、いったい、なにしてるんだろう…。

 

 

裁判員制度と聞くと、いつもこの事件を思い出してしまう。

思い出しても、いっつも、消化できない。

 

映画だったらいいのにね。この話。

誰か教えてください。



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